ASIAN KUNG-FU GENERATIONの話。
聞けば前作の『ファンクラブ』はフロントマンの後藤正文が我を全面に押し出した作品だったらしい。
自分と向き合って、より内向的に内に内に向いたアルバムだったという。
アルバムのジャケットは単色で描かれていた。
一方『ワールドワールドワールド』を聴くと、大きなエネルギーを感じる。
それこそまるで世界の隅々まで届かせる、大きな遠心力が効いているような。
しかしながら、この作品は単に世界の広がりだけを歌っているわけではない。
前作、全体として暗みで覆われた内面的な『ファンクラブ』。
その後の作品としての『ワールドワールドワールド』は、
まるで2曲目と3曲目がその係りに対する結びになっているように見えるのだ。
『アフターダーク』は日本語にすれば"闇の後で"となる。
『旅立つ君へ』はその名の通り、"旅立つ前"のお話である。
"喪失"や"虚無"を歌った前作。
しかしながら前作のそれを否定するのではなく、
「闇は抱いたまま」、「傷は開いたまま」、
その上での"始まり"をここでは歌っている。
「世界」を歌ったこのアルバムの前には、一人の人間の孤独な胸の内があった。
その小さな小さな収縮が、この大きな大きな膨張となり、
その広がりを捉えるのが「世界」という単語だったように思う。
ジャケットは鮮やかな多色で塗られていた。
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