2011年02月07日

"さおだけ屋はなぜ潰れないのか"の感想 〜新書を読むということ〜

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)山田 真哉

光文社 2005-02-16
売り上げランキング : 3129


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


最近新書にハマっている。
まあこれは「だから新書を読みなさい」っていう本の影響なんだけど。
新書の何がいいって、そのジャンルを知った被れることだと思う。
最近の新書は一般人が読んでも分かるように書かれているものがほとんどだ。
それでいて書いている著者はその分野の専門家。
そんな人が必死になって自分たちの分野を分かりやすいところまで落とし込んでくれる。
よってその分野の“触り”程度は十分にインプットできる。

そんなこんなで買ってきたのが「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」という本。
とても有名な本だから、誰でも名前くらいは聞いたことがあると思う。
内容はというと、タイトルの通り「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」から「ガラガラの高級料理店が潰れない理由」や「あの人はなぜワリカンの支払い役を買ってでるのか」など、誰もが思う身近な疑問を挙げ、それについて考えることで「会計とはなんぞや?」ということを解説するという本だった。
「キャッシュ・フロー」や「リスクアプローチ」などといった、なんか聞いたことあるけど難しそうな言葉も具体的な事例を挙げて解説していてとても分かりやすい。
なんか本当に数字に関して強くなったような気になる。

例えば一つの商品に対して、「50人に1人が無料になります!」というキャッチを見てどう思うだろうか。
「おお、無料とはすごい!買ってみよう!」と思うかもしれない。
でも、これをお店の視点から考えると、50人に1人が無料ということは100人いたら2人が無料。
売上は単純に計算して98%になる。
これはすべての商品を2%引きにするのと同じ計算だ。
今現在、割引の率として2%引きなんてなんの広告効果にもならない。
それを「50人に1人が無料」とすることで、知らず知らずのうちに消費者は「お得」と思わされてしまうのである。

まあそんな感じの「数字の秘密」「会計の秘密」の初歩の初歩のことが書かれている本だと言っていいだろう。
単純に「さおだけ屋がなぜ潰れないか?」という疑問だけが気になっている人も、それを期にこの本を買ってみてもいいと思う。
きっと「なんだか面白いことを知った」気分になる。

今回全編を通して「知った被れる」だとか「知った気分になる」といった言葉を用いた。
これは、やっぱり新書はこれくらいまでの知識しか得ることはできないのではないかと思うからだ。
ただ、それが悪いとは全然思っていない。
むしろそこが新書のいいところであると思う。
もし新書を読んで興味を持てばもと分厚い専門書に進めばいいし、興味が無かったら「縁がなかった」と思って読むのをやめていいと思う。
そんな「知識への入り口」として、新書は十分に機能を果たしている。

とりあえず新書の入り口としてこの本を読んでみるのもいいと思う。
すべては知った被ることから始まる。




さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)
山田 真哉

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書) 「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い   禁じられた数字〈下〉 (光文社新書) 女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様 (角川文庫) なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学 非常識会計学!―世界一シンプルな会計理論

by G-Tools


LHFポッドキャストもよろしく!
lhfpote.JPG

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
addtumblr06.png

クリックお願いします。
目指せ月間1万5000PV!!
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
posted by 市村 at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

"ジャイアント・キリング18巻"の感想 〜チームは人格である〜

ジャイアント・キリングの18巻を購入しました。

GIANT KILLING(18) (モーニングKC)
GIANT KILLING(18) (モーニングKC)

前巻で夏季キャンプが終了し、後期リーグを戦い始めたETU。
中断明けの札幌戦はスタメンが入れ替わり、新星ETUの幕開けを感じさせました。

そんな中でもうはじめからぼくは泣きそうになってしまいました。
この試合、スタメンで抜擢された左サイドバックの熊田。
守備に定評のある熊田は、守備が目立たないものと知りながらも自分の役割を果たします。

熊田「本当はもっと攻撃に絡まなきゃいけないところだけど…
   達海さんは俺の守備力を買って使ってくれたんだ…
   ようやくもらったチャンス…
   どんだけ地味でもいいプレーをしてチームに貢献すれば…
   達海さんなら…
   それをちゃんと見ててくれてる…!

(本文より引用)

ここに"信頼"という言葉の全てが集約されているようにぼくは思いました。

『GIANT KILLING』では、監督が主人公という珍しい設定を敷いているため、
自ずと"チーム"というものがキーワードになっていきます。
サッカーというスポーツでは一人のスターがいても、
チームとして機能していなくては勝てません。
その上で、チームを構成するのは他でもない"個人"という中で、
自分を"チームの一つ"として考えることが重要なのです。

時節の神戸戦、ETUはチームの守護神・緑川を怪我によって失ってしまいます。
その責任を感じる椿に、村越は言います。

村越「負傷の原因がお前にあると…緑川さんが言ったのか?
   じゃあ亀井はどうなる?
   あいつのミスキックで相手ボールになって失点したんだ。
   緑川さんの怪我の原因は、あいつにもあるのか?
   
   黒田は? CBとして責任はないのか?
   亀井にパスを要求した堀田は?
   俺はどうだ?
   ボランチの俺にも責任はあるんじゃないのか?

   良いことも悪いことも、関わっていないやつなんていない。
   サッカーっていうのはそういうスポーツだろ
(本文より引用)

チームとはなんなのでしょうか。
ぼくはチームというものは一つの人格なのだと思えてなりません。
サッカーというスポーツでは、11人の個人がその"人格"を形成します。
その中では誰が良くて、誰が悪いかは関係ありません。
全てはチームが勝つか負けるかなのです。

そのために、個人がチームのパーツの一つとして、役割を全うすること。
それが本当の良いプレーであり、良いチームだと思うのです。
そこには自己犠牲があるかもしれません。
他人を犠牲にすることもあるかもしれません。
しかし、全てはチームで繋がっている。
その繋がりで形成されたのがチームという"人格"だと思うのです。

自分のために頑張るのって、ぼくは辛いことだと思うんですよね。
だから他人のために何かをやることが、本当に大切だと思っていて。
そういう意味で「他人のためでいい」って思えるのが幸せな考え方だと思うのです。
チームというものをリアルに描く、このサッカー漫画。
良いと思います。




ジャイアントキリングを起こす19の方法ジャイアントキリングを起こす19の方法
岩本 義弘 田中 滋 岡田 康宏 是永 大輔 川端 暁彦 土屋 雅史 北 健一郎 中林良輔

ジャイアントキリング発サッカーエンターテインメントマガジン GIANT KILLING extra Vol.04 (講談社MOOK) GIANT KILLING(18) (モーニングKC) ジャイアントキリング発サッカーエンターテインメントマガジン GIANT KILLING extra Vol.03 (講談社MOOK) ジャイアントキリング発サッカーエンターテインメントマガジン GIANT KILLING extra Vol.02 (講談社MOOK) ジャイアントキリング発サッカーエンターテイメントマガジン GIANT KILLING extra Vol.01 (講談社MOOK)

by G-Tools


LHFポッドキャストもよろしく!
lhfpote.JPG

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
addtumblr06.png

クリックお願いします。
目指せ月間1万5000PV!!
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
posted by 市村 at 18:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月20日

"陽気なギャングの日常と襲撃"の感想 〜善悪の悪〜

伊坂幸太郎の陽気なギャングの日常と襲撃を読みました。

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)
陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

同じく伊坂幸太郎の「陽気なギャングが地球を回す」の続編です。
前作でもお馴染みの4人の"ギャング"。
彼らのそれぞれの物語を描き、それが最後に一つに繋がるという展開。
伏線を巧みに操る伊坂幸太郎ならではの手法ですね。

この小説を読んで思ったことは、これは「善悪」の話だなぁということ。
というよりは伊坂幸太郎の小説全般に言えることなのですが、
彼の小説に出てくる人って、悪党がめちゃくちゃ多いんですよね。
そしてそれは主人公の側で出てくることも少なくなくて。
今回はその典型的なパターンでもあります。

例えばこの小説の主人公たちは銀行強盗なんです。
つまりは世間的には"大悪党"なわけですよ。
それでも、読者は彼らを"悪"とは捉えていない。
そして一方では"悪"を象徴する敵が現れ、
敵として主人公にやられていくわけです。

ここで思うのは「どっちも悪」ということです。
でも、その描かれ方は全く逆で。
一方は正当性さえも感じさせます。
おそらく伊坂幸太郎という人は、この"善悪"に対して意見を持っていて。
つまりは「良い悪と悪い悪ってあるよね」っていうことなんじゃないかと思うんです。

世の中には法律というものがあって、それによって善悪が定められている節がありますが、
一方ではその人それぞれによっても善悪の基準ってさまざまだと思います。
例えば殺人ひとつとっても、基本的に殺人は"悪"とされていますが、
自分を殺そうとした人を殺めてしまった場合は法律的にも許されることがある。
そういう意味で単純に「殺人=悪」と言ってしまうのは安直でもあるのかもしれません。

言わばその基準に対して、伊坂幸太郎は小説で訴えかけている部分があるのでしょう。
「アヒルと鴨のコインロッカー」では主人公側の人間が残虐な方法で悪党を殺しますが、
しかしその描かれ方に、どこか伊坂幸太郎の"善悪感"を感じさせます。

善と悪、には色々あって、良い善と悪い善、そして許される悪と許されない悪が存在する。
そんなことを、ぼくはこの小説を読んで感じました。
自分の善悪はどこにあるのでしょう。
今一度考える必要があるのかもしれません。





陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)
伊坂 幸太郎

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) 終末のフール (集英社文庫) チルドレン (講談社文庫) フィッシュストーリー (新潮文庫)

by G-Tools


LHFポッドキャストもよろしく!
lhfpote.JPG

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
addtumblr06.png

クリックお願いします。
目指せ月間1万5000PV!!
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
posted by 市村 at 21:46 | Comment(0) | TrackBack(1) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月18日

"Facebook"の感想 〜三人称の物語〜

ここ何日かで映画「ソーシャルネットワーク」について色々と書いてきました。

市村の感想: "ソーシャルネットワーク"の感想 〜現在進行形の物語〜
市村の感想: "キラキラ「ソーシャルネットワーク」"の感想 〜町山さんの紹介〜

というわけで、原作の「Facebook」の感想です。

facebook
facebook

「三人称」
三人称(さんにんしょう)とは、言語における人称のひとつで、
話し手と聞き手以外の話に上がってくる人、物、名詞で表せる出来事などの語句のことを指す。
(Wikipediaより)

映画、原作とこの作品を追ってきましたが、
この作品はやはり"三人称"の作品と思わざるを得ません。
Facebookを創ったマーク・ザッカーバーグという男を語った作品ですが、
本人による言及は一切ありません。
それが良い悪いに関わらず、認識としてそのような作品だと捉える必要があると思います。

この原作を読み終わって感じたこと、
それは映画の素晴らしさでした。
本来ならば映画における原作を読むと、
映画以上の情報を得ることが可能な場合が多いのですが、
これに関しては映画を観ることで事足りたという印象を受けました。

というのも文章では人物の心情を言語化することが可能です。
しかしこの作品ではマーク・ザッカーバーグの心情が明らかにされないため、
ザッカーバーグの作品のはずなのに、心情を知ることができないという欠点があるのです。

そういう意味で、映画と比べて情報の面で優っているとは言えませんし、
裁判などの演出も含めると映画の方がよりエンターテイメントとして楽しめるかなと。

ただやはり気になったのは、表紙には「裏切り」などと書いてあり、
更には多くがエドゥアルド側の視点で書かれているにも関わらず、
エドゥアルドのしたことははちゃんと悪として描かれていますし、
マークが理由もなく裏切ったとは書いていません。
その点に関しては、そこまでマークを悪く書いているとは思えません。
むしろ取材を拒否した相手をここまで尊重して書いていることに、
なんとなく作者の優しさや、マークの憎めなさが表れているような気さえ感じさせます。

映画から原作までここまで「Facebook」について色々と書いてきましたが、
ここまで来ると読んでみたいのはマークへの取材に成功しているというコチラの作品

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

映画も含めて、このFacebookをめぐる大きな"物語"は、
メタ的な視点から自分なりに"正しさ"を判断するのが面白いと思います。
日本でこれから広がりを見せようとしているFacebook。
その物語はどのようにページをめくっていくのでしょうか。






facebookfacebook
ベン・メズリック 夏目 大

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) facebook完全活用本 Facebookをビジネスに使う本 ソーシャルストリーム・ビジネス  Twitter、Facebook、iPhone時代の消費者を巻き込むビジネスの新ルール できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150

by G-Tools


LHFポッドキャストもよろしく!
lhfpote.JPG

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
addtumblr06.png

クリックお願いします。
目指せ月間1万5000PV!!
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
posted by 市村 at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月12日

"2010年面白かった漫画"の感想 〜将棋、将棋、漫画〜

2010年、ぼくが面白いと思った漫画について振り返ってみたいと思います。
印象に残ってる漫画をベスト3で紹介します。

第3位

ハチワンダイバー 18 (ヤングジャンプコミックス)
ハチワンダイバー 18 (ヤングジャンプコミックス)

市村の感想: "ハチワンダイバー16巻・17巻"の感想

ハチワンダイバーはここ最近に急に面白くなってきたと思います。
上の記事でも書きましたが、16巻から菅田が真に主人公になったという意味で、
物語に大きな推進力が生まれたような感じがします。
倒すべき存在、鬼将会トップの谷生も登場し、
ますます目が離せない展開になっています。

第2位

3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)

市村の感想: "3月のライオン5巻"の感想 〜強さの孤独〜
市村の感想: "「3月のライオン・4巻」"の感想

この漫画もすごい面白いです。
作者の"向き合ってる"という部分が伝わってきて、
"勝負"、"才能"、"孤独"を描ききっています。
ぼく個人としても上の記事を羽海野チカさんから直接お褒めいただいたりと、
大きな転機となりました。


第1位

バクマン。 11 (ジャンプコミックス)
バクマン。 11 (ジャンプコミックス)

市村の感想: "バクマンの法則"の感想 〜全ジャンル漫画の到達点〜
市村の感想: "バクマン11巻"の感想 〜岩瀬愛子というキャラクター〜

やはりぼくが一番オススメしたいのはこの漫画です。
作中で明かした方法論を、作中で実践していくというメタ的な手法。
漫画を扱うことで全ジャンルへ挑戦していく気概。
マンガ論を示すことでの読者の育成など、
様々な思いが感じ取れる現在最もアツい漫画だと思います。
これを読んで読者はどう思うのか、色々と考えるべき作品なんじゃないかと。




上に挙げた3つが2010年ぼくが面白いと思った漫画です。
まあべつにそれほど量を読んでるかと言ったらそうでもないのですが、
今読んでいるものは間違いなくオススメできる。
特徴的なのは題材が「将棋」「将棋」「漫画」なこと。
将棋漫画ってすごく面白くなるのは、
おそらくは将棋自体が物語を持った題材なのかなと思います。
その上で新世代の漫画家漫画としてのバクマンはすごいことやってるなぁと思います。

上の漫画についてはブログでも追っかけていきたいと思いますので、
どうかよろしくお願いします。
2011年も3つくらい新しい漫画を読もうかな。
探しにいきます。






LHFポッドキャストもよろしく!
lhfpote.JPG

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
addtumblr06.png

クリックお願いします。
目指せ月間1万5000PV!!
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村


posted by 市村 at 11:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。