2013年12月21日

THE MANZAI2013の感想 〜視聴者が観たいのはホームラン王である〜

今年のTHE MANZAIはウーマンラッシュアワーが優勝しました。

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まあ個人的には十分楽しめたと思ってるんですけど、
横で見てた奥さんが「なんか盛り上がらなかったね」って言ってて。
確かに盛り上がりって意味では僕も去年ほどじゃなかったなーという印象です。

じゃあなんで盛り上がらなかったように感じたか。
これはTHE MANZAIが観せたものと、
視聴者が観たいものに差があったからだと、僕は思うんです。

そもそもM-1グランプリっていう大会があって。
そっちは回を重ねると共に"傾向と対策"がうたれてしまいました。
世間でも"手数論"という言葉が有名になりましたが、
要は4分の中にどれだけ笑いの"手数"を詰め込めるかの戦いになった。
そして大会は終わりを迎えました。

その後で生まれたのがこの「THE MANZAI」です。
この「THE MANZAI」がM-1グランプリと大きく異るところは、その審査方法です。
THE MANZAIは9人の審査員+視聴者が一票ずつ持っていて、
一番票を集めたコンビが決勝に進出できます。
逆にM-1グランプリの審査は7人の審査員が100点の点数を持っていたわけですが、
この違いっていうのが、"2位を取る意味"なんです。

M-1グランプリは点数制ですから、
例えば審査員全員が2番目の評価をしてもそれなりの点数は入ります。
しかしTHE MANZAIは審査員がどこかのコンビを選ばなければならない。
つまりそれぞれの審査員の"1番"にならなければ一票も票が入らないわけです。

M-1において手数が有効だったのは、その安定性です。
笑いの数が多ければ、一つ一つのボケの良い悪いを別にしても、
その笑いの打率で点数を積み上げることができました。
しかしTHE MANZAIだと"一発"があれば、上に行ける可能性があるんです。

それでもって、今度は手数漫才について書きますけど、
手数は点数が稼ぎやすかったんですけど、一方で視聴者の感想はというとそうでもない。
だって視聴者は別に漫才の技術を観てるわけじゃないですからね。
言ってしまえば印象論というか、インパクトの強さの方が大事で。
手数漫才の問題点はそこにあったのかなと。
つまり審査員の審査と一般人の印象がかけ離れてしまうことです。

前で述べた通り、THE MANZAIでは手数偏重の審査ではなくなっています。
それでも、結果と印象の乖離は起きてしまったんです。
それが『国民ワラテン』という悪魔のシステムです。

国民ワラテンとは、視聴者がテレビを観ながら、リアルタイムで点数を番組に送信し、
その結果が"一票"として結果に表れるシステムです。
ここで問題なのがその審査方法。
「視聴者のみなさんは面白いと思ったらわははと笑う要領で、ボタンを連打してください
これ、何か感じませんか。
そう、これってそのまま手数を評価しますよっていうシステムなんです。

このシステムが、番組が盛り上がるかどうかの瀬戸際で、全てをぶっ壊したと思います。
それはC組の審査のときに起きました。
C組には天竺鼠、NON STYLE、東京ダイナマイト、
そして流れ星がワイルドカードから上がってきました。
「今年の審査員はバランスが取れてるなあ」と思ったのが、
ここで綺麗に評価が3つに分かれたことです。

まず手数の象徴とも言えるNON STYLE。
ここにオール巨人、西川きよし、天野ひろゆきが票を入れました。
やはり"師匠"クラスは漫才の「技術」に票を入れることが分かります。
これはこれで間違いではないと思います。

そしてみのもんたイジリっていう危険なネタを放り込んできた東京ダイナマイト。
ここにはラサール石井、テリー伊藤、高須光聖が票を入れました。
ここで東京ダイナマイトに入れるのは、
おそらく「2本目が観たい」って意味だと思います。
2本目を見させたくするっていうのも立派な作戦の一つですし、
そういうのを面白がりそうな人が票を入れています。

最後に来たのが流れ星。
流れ星が特徴的だったのは「肘神様」のくだりですよね。
僕もここでこの日一番の大笑いしました。
爆発するかギリギリで迎えた最後の最後で、
下位打線の12番打者がホームランを打ったんです。

でもここで悪さをしたのが国民ワラテンですよ。
せっかく審査員が絶妙のバランスでそれぞれの"1番"に票を入れたにも関わらず、
手数に引っ張られたその悪魔のシステムは、NON STYLEに票を放り込むんです。

ウーマンの優勝に文句はないです。
でもかつてHi-Hiやアルコ&ピースが優勝せずとも売れたように、
次世代のスターを輩出するのなら、東京ダイナマイトか流れ星が
決勝に上がるべきだったと、僕は思います。
そこでウーマンに敗れようとも、
この2組なら2打席目でもフルスイングできたはずだから。

たけしさんはさすがで、その敏感な空気に気づいていました。
「速いテンポががーっとくる中で、ゆっくりやると目立つね」
しかし、結果はNON STYLEが決勝に上がりました。
手数に別れを告げたはずのTHE MANZAIですが、
手数以外のコンビを上に上げることはできませんでした。

ここまで書くとNON STYLEや手数漫才を
否定しているかのように捉えられるかもしれません。
別に彼らが嫌いだとかそういうことではないんです。
でも視聴者が観たかったのは、首位打者じゃなくてホームラン王なんです。
技術やテンポが評価されるのも分かります。
それでも観たいのは4分間面白い"良い漫才"じゃなくて、
1回でいいから腹抱えてめちゃくちゃに笑いたいんです。

僕が考えたのは前年度チャンピオンを審査員に入れるという方法です。
さすがに酷というかそこに審査させるのもどうかとも思いますが、
現役漫才師が何を評価するのかっていうものにも興味があります。
国民ワラテンなんかよりよっぽどマシかと。

個別に感想を言うとしたら、
チーモンチョーチュウのハト語の吹き替えとか、
学天即のツッコミフレーズも面白かったです。
それぞれ千鳥とウーマンに負けていった形ですが、
チーモン、学天即、流れ星の決勝の方がワクワクしたよなー。

来年、審査システムが変わって、大きな大きなホームランが観れるといいなと。
次のTHE MANZAIも十分に楽しみです。








この記事へのコメント
「国民ワラテン」は一応は
「視聴者が参加できる」という主旨で
考えられたんだと思いますが
どう考えても手数の多い芸人・濃いファンの芸人持ちの方が有利という負の側面を持っていますよね。

前回チャンプ審査員というのは
面白いですね。
ただ、それでやると縦社会の吉本が有利とか
また叩かれる感じもします。
Posted by lily at 2013年12月24日 00:59
なんか時代っぽいっちゃぽいですけどね。
テレビの前から参加できるっていう。
上手いことできればいいですけど、今は大会の方向性とマッチしてはいないかなーと思います。

まあ前回チャンプもそういう面では難しいですよね。
絶対やりたくないだろうし。
Posted by 市村 at 2013年12月26日 01:36
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